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Shutoku Sato Interview 2019

幅広いジャンルで活躍し、Theater Orchestra Tokyo(K-Ballet Company)首席奏者などを務める人気トランペット奏者佐藤秀徳氏。トランペットを始めたきっかけから現在の活動、演奏されている〈B&S〉のトランペットについてお話を伺いました。(2019年5月15日・東京にて)

  佐藤さんがトランペットを始めたきっかけを教えてください。
佐藤(敬称略) 小学校5年生の終わりに、小学校の鼓笛隊で始めたのがきっかけです。一学年200人の生徒がいる大きな小学校で、6年生になると全員鼓笛隊に参加するのですが、毎年運動会でその鼓笛隊が演奏するのを見ていて、最初に歩いている金管に憧れました。そして、6年生で父親の薦めで地元郡山市のジュニアオーケストラにも入り、中高では吹奏楽とジュニアオーケストラを両立させていました。

  プロフェッショナルな演奏家になりたいと思われたのは、いつですか。
佐藤 トランペットを始めてすぐに、プロになりたいと思いました。トランペットを手にしてすぐに音が出て、音階も吹けてしまったので、楽しくてしかたなかったんですね。これしかない、という感じでした。N響アワーを毎週観るようになり、録画を何度も観て耳コピして、その週のかっこいいフレーズを吹く、ということをしていました。

   その後、東京藝術大学に入学され、学生時代からプロフェッショナルな演奏家として活躍されて、現在は幅広く活躍されていますね。今一番やりたいことは何でしょうか。
佐藤  夢はなんですか?とよく聞かれまずが、特に具体的にこう、というのがないのです。どんな活動も、やりたいな、と思っていると、やれるようになってきます。それで今は、オーケストラ、ソリスト、アンサンブル、ポップス、とジャンルレスな活動をしています。チャレンジしたいことはまだまだあります。
夢はないと答えましたが、演奏家として、「新しいこと」、「世の中にまだないこと」をやりたいと考えています。例えば、学生の頃からバロック音楽のコンチェルト(弦楽+チェンバロ+トランペット)を聞いて、「チェンバロとトランペットはきっと合うだろうな」と、ずっと思っていました。チェンバロとデュオで演奏する機会はありませんでしたが、そこからのイメージで絶対にいい音がすると思っていたギターとのデュオBarchettaの演奏活動をしています。ギターは佐藤紀雄さんで、このデュオでは8月7日にCD「VIAGGIO-舟にのって」がリリースされます。収録曲はジョン・ダウランド(リュート曲)から本田祐也(現代の作曲家)まで、ラテン、ファリャのスペイン民謡からドビュッシーまで、という幅広いレパートリーを、ギターとトランペットの新鮮で心地よい響きで聴いていただけると思います。

  佐藤さんは〈B&S〉がティエリー・カンスと共同開発したTC-LINEの”3136TC-4”、”3137TC-4”を演奏されています。なぜこの楽器を選ばれたのでしょうか。
佐藤 まず、圧倒的に吹奏感と反応が良い楽器です。そして、プレーヤー自身の音を出すことができる楽器という点で気に入っています。メーカーや機種によっては、音色の「道」が見えるトランペットもありまずが、その点TC-LINEは良い意味でアバウトというか、遊びの部分があって、そこを使って自分の音を作ることができます。
ピストン式トランペットは日本とアメリカのメーカー、ロータリー式トランペットはヨーロッパメーカーが主流の中、ドイツ生まれのピストン式トランペット〈B&S〉には、他のメーカーにはない柔らかくダークな香りのする音色と、特有の上品な響きがあります。鳴りが良く、ホールの後ろまでしっかり響く楽器です。
また、楽器はゴールドブラスベルでライトウェイト仕様という、とても珍しい組み合わせです。もともとゴールドブラスが好きでしたが、少し重いので、以前は「キツイ」という感覚がありました。この楽器は、音色はダークな香りがするのに軽い、という、相反する要素を併せ持つ楽器です。

  〈B&S〉”3136TC-4”、”3137TC-4”はどのような奏者におすすめですか。
佐藤 ソリスティックな活動の人に適していると思います。私はこの楽器を演奏するようになってから、小さいアンサンブルでのストレスが減りました。また、ポップスでレコーディングでも活躍しています。弦や木管とのサウンドのブレンドがしやすく、バン!と吹いても、ほかと響きが合いますよ。
逆に、吹奏楽のトランペットセクションの学生の方には、スタンダードなタイプの”チャレンジャーII 3137”などの機種がお薦めです。

  〈B&S〉について、どのような印象をお持ちですか。
佐藤 一言にまとめると、丁寧で上品なブランドです。楽器の作りが丁寧で、よく響き、反応よくいろいろなニュアンスに応えてくれます。また、使い続けても現在まで管体のめっきが綺麗なまま、変色もしません。金めっきのトランペットは、大抵だんだんと色が薄くなってくるのですが、〈B&S〉にはそれもありません。音色も上品で、ヨーロッパらしいブランドだと思います。

※ 佐藤氏が使用している楽器の紹介ページは以下をご覧ください。
  TC-LINE 3137TC
  TC-LINE 3136TC

※ 佐藤氏が紹介しているデニス・ウィックのミュートはこちら

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